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インバースキネマティクス(IK)で骨格を簡単に動かす(その3)

  

インバースキネマティクス(IK)で関節を末端から曲げる(続き)

前の記事の『インバースキネマティクス(IK)で骨格を簡単に動かす(その2)』からの続きです。 引き続き、インバースキネマティクスの使用例を紹介します。

インバースキネマティクスを使ってみよう(続き)

制御用ボーンの準備が終わりました。 ここからは、いよいよインバースキネマティクスの作業に入ります

インバースキネマティクスの『起点のボーン』は下腿のボーンとし、『ターゲット』には足制御用ボーンと膝制御用ボーンを指定します。 曲げる関節は起点のボーンである下腿のボーンだけではなく、その親の大腿のボーンも含めます。

インバースキネマティクスのターゲットには2種類あり、1つは関節を曲げるためのもの、もう1つは関節をねじるためのものです。 今回は、関節を曲げるためのターゲットに足制御用ボーンを、関節をねじるためのターゲットに膝制御用ボーンを指定します

  
関節をねじるためのターゲットは、『軸ターゲット』と呼ばれます。

では、インバースキネマティクスを設定していきましょう。 インバースキネマティクスの設定はポーズモードで実施します。

25. ポーズモードへ切り替える
25. ポーズモードへ切り替える

上図のようにポーズモードへ切り替えます。

ポーズモードで最初にやるべきことは、体の右側(画面向かって左側)のボーンを非表示にすることです

では、キーボードのテンキーの1を押してください。

26. 視点が正面図の位置へ移動する
26. 視点が正面図の位置へ移動する

上図のように視点が正面図の位置へ移動します。 見ての通り、体の右側(画面向かって左側)のボーンは表示されています

先ほどエディットモードで非表示にしましたが、このようにポーズモードには影響ありません。 ポーズモードでも非表示にしたければ、ポーズモードで非表示にする操作を行う必要があります。

では、非表示にするボーンを選択しましょう。

27. 右側のボーンを選択する
27. 右側のボーンを選択する

上図のように右側のボーンを選択します。 では非表示にしましょう。 キーボードのHを押します

28. 右側のボーンが非表示になる
28. 右側のボーンが非表示になる

上図のように右側のボーンが非表示になります。 これで側面図での作業がしやすくなりました。

では、側面図に切り替えます。 キーボードのテンキーの3を押します

29. 視点が側面図の位置へ移動する
29. 視点が側面図の位置へ移動する

上図のように視点が側面図の位置へ移動します。

では、インバースキネマティクスを設定しましょう。 まずは対象のボーンを選択する必要があります。 つまり、『起点のボーン』となる下腿のボーンを選択します

30. 下腿のボーンを選択する
30. 下腿のボーンを選択する

上図のように下腿のボーンを選択します。 では、このボーンにインバースキネマティクスを設定しましょう。 具体的には、下腿のボーンと制御用ボーンの間にインバースキネマティクスのボーン制約を追加する、という作業になります。

31. Add Bone Constraintをクリックする
31. Add Bone Constraintをクリックする

上図のようにPropertiesのBone Constraint PropertiesタブにあるAdd Bone Constraintをクリックします

32. ボーン制約の一覧からInverse Kinematicsを選択する
32. ボーン制約の一覧からInverse Kinematicsを選択する

上図のようにボーン制約の一覧が表示されますので、一覧から "Inverse Kinematics" を選択します

これでインバースキネマティクスのボーン制約が追加されました。 続けて、追加したインバースキネマティクスのボーン制約の設定を行います。

33. ターゲットを指定する
33. ターゲットを指定する

上図のように追加したボーン制約の設定項目のTargetに "Armature" を、Boneに "IK-Foot_L" を設定します。 Targetがターゲットとするオブジェクトであり、Boneはそのオブジェクト内のボーンを指定します

では、インバースキネマティクスをテストしてみましょう。 足制御用ボーンを選択してください

34. 足制御用ボーンを選択する
34. 足制御用ボーンを選択する

上図のように足制御用ボーンを選択します。 では、このボーンを上に移動してみましょう。

35. 体全体が影響を受ける
35. 体全体が影響を受ける

上図のように体全体が影響を受けて傾いてしまいました。 なぜこんな事になったのかというと、曲げる関節数の上限を設定していないからです。

曲げたいのは下腿のボーンと大腿のボーンの2本ですが、上限を設定していないため大元の腰のボーンまでさかのぼって曲げられてしまったのです。

では、CTRL+Zを押して足制御用ボーンの位置を戻してください

  
キーボードのCTRL+Zによるボーンの移動の取り消しを忘れずに実施してください。

続いて、インバースキネマティクスの設定を変更します。 曲げる関節数の上限を 2 とします。 まずは、対象のボーンである下腿のボーンを選択します

36. 下腿のボーンを選択する
36. 下腿のボーンを選択する

上図のように下腿のボーンを選択します。 では、インバースキネマティクスの設定を変更しましょう

37. Chainを 2 に変更する
37. Chainを 2 に変更する

上図のようにChainを 0(ゼロ) から 2 に変更します。 なお、0(ゼロ) は上限なしを表しています。

  
Blender 2.9系からは、"Chain" ではなく "Chain Length" という名称に変更になっています。

では、再度テストしてみましょう。 足制御用ボーンを選択し、上に移動してみてください

38. 大腿が持ち上がる
38. 大腿が持ち上がる

上図のように大腿が持ち上がりました。 テストは成功です。 関節を曲げるためのインバースキネマティクスの設定はこれで完成としましょう

ではここで、CTRL+Zを押して足制御用ボーンの位置を戻してください

  
キーボードのCTRL+Zによるボーンの移動の取り消しを忘れずに実施してください。

続いては、関節をねじるためのインバースキネマティクスの設定を行います。 なお、起点のボーンは同じく下腿のボーンです。

つまり、新たにインバースキネマティクスのボーン制約を追加する必要はありません。 先ほど作成したインバースキネマティクスに設定を追加します。

まずは、対象のボーンである下腿のボーンを選択します

39. 下腿のボーンを選択する
39. 下腿のボーンを選択する

上図のように下腿のボーンを選択します。 では、インバースキネマティクスの設定を変更しましょう

40. 軸ターゲットを指定する
40. 軸ターゲットを指定する

上図のようにインバースキネマティクスの設定項目のPole Targetに "Armature" を、Boneに "IK-Knee_L" を設定します。 Pole Targetが軸ターゲットとするオブジェクトであり、Boneはそのオブジェクト内のボーンを指定します

では、膝制御用ボーンでのポージングをテストしてみましょう。 脚を開く(ガニ股) / 閉じる(内股)という制御が行える予定です。

側面図の視点では確認しづらいので、キーボードのテンキーの4を4回押して視点を移動してください

41. 視点が斜め前の位置へ移動する
41. 視点が斜め前の位置へ移動する

上図のように視点が斜め前の位置へ移動します。 これで、脚の開きが見やすくなりました。 では、膝制御用ボーンを選択してください

42. 膝制御用ボーンを選択する
42. 膝制御用ボーンを選択する

上図のように膝制御用ボーンを選択します。 では、膝制御用ボーンを右へ動かしてください。 脚が開いてガニ股になるハズです。

43. 脚が開いてガニ股になる
43. 脚が開いてガニ股になる

上図のように脚が開いてガニ股になりました。 テストは成功です。 では、CTRL+Zを押して膝制御用ボーンの位置を戻してください

  
キーボードのCTRL+Zによるボーンの移動の取り消しを忘れずに実施してください。

足制御用ボーンで脚を曲げることができ、膝制御用ボーンで脚の開きを調整できるようになりました。 インバースキネマティクスに関する設定はこれで終了です

次の記事へ

長くなってきましたので、そろそろ一区切りしましょう。 解説の続きは次の記事を参照ください

  
  

まとめ

Blenderでは、インバースキネマティクスはボーン制約の1つです。 起点のボーンを選択し、そのボーンに対してインバースキネマティクスのボーン制約を追加する、という流れになります。 なお、ボーン制約はポーズモードでなければ追加 / 修正 / 削除することはできません。

インバースキネマティクスのボーン制約を追加したら、続いて設定を行います。 関節を曲げるためのターゲットと、関節をねじるための軸ターゲットにそれぞれ制御用ボーンを指定します。 また、関節を曲げる上限をChainで指定する必要もあります。

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