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アーマチュアによるアニメーション(その3)

  

アニメーションをつける(続き)

前の記事の『アーマチュアによるアニメーション(その2)』からの続きです。 前の記事で、メッシュへのアーマチュアのメッシュへの埋め込みが終わりました。

この記事では、ボーンを曲げて動きをつける作業を行います。 以下のようにアーマチュアに動きをつけます。

フレーム数 動き
1フレーム目 直立姿勢
25フレーム目 お辞儀をした姿勢(最も頭が下がった位置)
50フレーム目 直立姿勢
60フレーム目 右手を上げた姿勢(斜め上)
70フレーム目 右手を上げた姿勢(真上)
80フレーム目 右手を上げた姿勢(斜め上)
90フレーム目 右手を上げた姿勢(真上)
100フレーム目 直立姿勢

キーフレームを登録する

では、1フレーム目のキーフレームを登録しましょう。 1フレーム目は、直立姿勢のボーンのキーフレームを登録します。

まず、対象フレームを選択します。 これから1フレーム目での作業を行いますので、対象フレームを 1 にする必要があります。

1. 対象フレームを 1 にする
1. 対象フレームを 1 にする

上図のように対象フレームを 1 にします。

これからキーフレームを登録していきますが、ここで新たなモードが登場します。 ボーンの関節を曲げてポーズをつける『ポーズモード』です。

ポーズモードに切り替えるには、アーマチュアを選択する必要があります。 クマの選択は解除し、アーマチュアのみを選択してください。

2. アーマチュアのみを選択する
2. アーマチュアのみを選択する

上図のようにアーマチュアのみを選択します

では、ポーズモードに切り替えます。 キーボードのCTRL+Tabキーを押します

3. ポーズモード
3. ポーズモード

上図のようにポーズモードに切り替わります。

では、キーボードのAを押してボーンを全選択してください

4. 選択中のボーンは青色で描かれる
4. 選択中のボーンは青色で描かれる

上図のようにボーンが水色になっていますが、水色は選択されていることを表しています。 ポーズモードでは水色が選択状態を表します。

1フレーム目は直立姿勢としますので、この状態でキーフレームを登録します。 全てのボーンが選択され、対象フレームが1になっていること確認し、キーボードのI(アイ)を押します。

5. 1フレーム目のボーンの位置・回転量・拡大縮小率のキーフレームを登録
5. 1フレーム目のボーンの位置・回転量・拡大縮小率のキーフレームを登録

上図のように"Insert Keyframe Menu"というタイトルのメニューが表示されますので、"LocRotScale"を実行します。

  
 
Blender 2.9系では、"Location, Rotation & Scale"を実行します。 Blender 2.9系からは、"LocRotScale" のような表記ではなく "Location, Rotation & Scale" のように省略されていない表記に変わっています。

これで、1フレーム目にボーンの位置と回転量と拡大縮小率のキーフレームが登録されました。


続いて、25フレーム目のキーフレームを登録します。 25フレーム目は、お辞儀をした姿勢のボーンのキーフレームを登録します。

ただし、ボーンの曲げはまだ行わないでください。 現在は、1フレーム目が選択されていますので、まずは対象フレームを 25 にします

6. 対象フレームを 25 にする
6. 対象フレームを 25 にする

上図のように対象フレームを 25 にします。

ではここで、視点を切り替えます。 キーボードのテンキーの6を3回押し、視点を正面図から右方向に45度移動します

7. 視点を正面図から右方向に45度移動
7. 視点を正面図から右方向に45度移動

上図のように視点を正面図から右方向に45度移動します。

では、ボーンを曲げてお辞儀をした姿勢に変形させます

8. 一番下の背骨のボーン "Spine_L" を選択
8. 一番下の背骨のボーン "Spine_L" を選択

上図のように一番下の背骨のボーン "Spine_L" を選択します。

続いて、回転を行います。 回転ツールに切り替えて、回転マニピュレータを使うのがいいでしょう

9. 回転後のボーン
9. 回転後のボーン

上図のように15度回転します

同様の手順で、ボーン "Spine_M"、"Spine_U"、"Head" も15度回転してください。

10. 回転後のボーン
10. 回転後のボーン

上図のようにお辞儀している姿勢になっているはずです。

では、キーフレームを登録します。 まずは、全てのボーンを選択します

11. 全てのボーンを選択
11. 全てのボーンを選択

上図のように全てのボーンが選択され、対象フレームが25になっていること確認し、キーボードのI(アイ)を押します。

12. 25フレーム目のボーンの位置・回転量・拡大縮小率のキーフレームを登録
12. 25フレーム目のボーンの位置・回転量・拡大縮小率のキーフレームを登録

上図のように"Insert Keyframe Menu"というタイトルのメニューが表示されますので、"LocRotScale"を実行します。

これで、25フレーム目にもボーンの位置と回転量と拡大縮小率のキーフレームが登録されました。


続いて、50フレーム目のキーフレームを登録します。 50フレーム目は、直立姿勢です。

まずは、対象フレームを 50 に変更します

13. 対象フレームを 50 にする
13. 対象フレームを 50 にする

上図のように対象フレームを 50 にします。

続いて、姿勢を直立姿勢に戻します。 全てのボーンが選択され、対象フレームが50になっていること確認し、キーボードのALT+Rを押します

14. ボーンのポーズが元に戻る
14. ボーンのポーズが元に戻る

上図のようにボーンのポーズが元に戻ります。 ALT+Rで回転量を 0(ゼロ) にすることができます

  
同様に、ALT+G(ジー)で移動量を、ALT+Sで拡大縮小率をクリアすることができます。

では、キーフレームを登録します。 全てのボーンが選択され、対象フレームが50になっていること確認し、キーボードのI(アイ)を押します。

15. 50フレーム目のボーンの位置・回転量・拡大縮小率のキーフレームを登録
15. 50フレーム目のボーンの位置・回転量・拡大縮小率のキーフレームを登録

上図のように"Insert Keyframe Menu"というタイトルのメニューが表示されますので、"LocRotScale"を実行します。

これで、50フレーム目にもボーンの位置と回転量と拡大縮小率のキーフレームが登録されました。


続いて、60フレーム目のキーフレームを登録します。 60フレーム目は、右手を上げた姿勢(斜め上)です。

まずは、対象フレームを 60 に変更します

16. 対象フレームを 60 にする
16. 対象フレームを 60 にする

上図のように対象フレームを 60 にします。

対象フレームを 60 に変更したら、視点を切り替えましょう。 キーボードのテンキーの1を押して正面図の位置に視点を移動します

17. 正面図から見たアーマチュア
17. 正面図から見たアーマチュア

上図のように正面図に視点を移動します。

では、ボーンを曲げて右手を上げた姿勢(斜め上)に変形させます

18. 右手を上げた姿勢(斜め上)
18. 右手を上げた姿勢(斜め上)

上図のように右手を斜めに上げた姿勢になるようボーンを曲げます

では、キーフレームを登録します。 全てのボーンが選択され、対象フレームが60になっていること確認し、キーボードのI(アイ)を押します。

19. 60フレーム目のボーンの位置・回転量・拡大縮小率のキーフレームを登録
19. 60フレーム目のボーンの位置・回転量・拡大縮小率のキーフレームを登録

上図のように"Insert Keyframe Menu"というタイトルのメニューが表示されますので、"LocRotScale"を実行します。

これで、60フレーム目にもボーンの位置と回転量と拡大縮小率のキーフレームが登録されました。


続いて、70フレーム目のキーフレームを登録します。 70フレーム目は、右手を上げた姿勢(真上)です。

まずは、対象フレームを 70 に変更します

20. 対象フレームを 70 にする
20. 対象フレームを 70 にする

上図のように対象フレームを 70 にします。

では、ボーンを曲げて右手を上げた姿勢(真上)に変形させます。

21. 右手を上げた姿勢(真上)
21. 右手を上げた姿勢(真上)

上図のように右手を真上に上げた姿勢になるようボーンを曲げます。 右手のボーンだけを曲げると不自然になるので、背骨のボーンと頭のボーンも少し右に傾けるのがいいでしょう

では、キーフレームを登録します。 全てのボーンが選択され、対象フレームが70になっていること確認し、キーボードのI(アイ)を押します。

22. 70フレーム目のボーンの位置・回転量・拡大縮小率のキーフレームを登録
22. 70フレーム目のボーンの位置・回転量・拡大縮小率のキーフレームを登録

上図のように"Insert Keyframe Menu"というタイトルのメニューが表示されますので、"LocRotScale"を実行します。

これで、70フレーム目にもボーンの位置と回転量と拡大縮小率のキーフレームが登録されました。


続いて、80フレーム目のキーフレームを登録します。 80フレーム目は、右手を上げた姿勢(斜め上)です。

ただし、80フレーム目の作業は、今までの作業とはちょっとやり方が違います。 80フレーム目は60フレーム目と同じ姿勢であるため、60フレーム目の姿勢をコピーして貼り付けることにします

まずは、対象フレームを 60 に変更します

  
80ではなく60ですので注意してください。
23. 対象フレームを 60 にする
23. 対象フレームを 60 にする

上図のように対象フレームを 60 にします。

24. 右手を上げた姿勢(斜め上)
24. 右手を上げた姿勢(斜め上)

上図のように右手を斜めに上げた姿勢に戻ります。

では、この姿勢をコピーしましょう。 キーボードのCTRL+Cを押します。 見た目には変化ありませんが、姿勢がコピーされています。

続いて、対象フレームを 80 に変更します

25. 対象フレームを 80 にする
25. 対象フレームを 80 にする

上図のように対象フレームを 80 にします。

26. 右手を上げた姿勢(真上)
26. 右手を上げた姿勢(真上)

上図のように右手を真上に上げた姿勢に戻ります。 これは、Blenderの自動的な補間によって70フレーム目と同じ姿勢になったためです

では、コピーした姿勢を貼り付けましょう。 キーボードのCTRL+Vを押します。

27. 右手を上げた姿勢(斜め上)
27. 右手を上げた姿勢(斜め上)

上図のように右手を斜めに上げた姿勢が貼り付けられます。

  
今は使用しませんが、キーボードのCTRL+SHIFT+Vを押すことで、左右反転させたボーンの形状を貼り付けることができます。

では、キーフレームを登録します。 全てのボーンが選択され、対象フレームが80になっていること確認し、キーボードのI(アイ)を押します。

28. 80フレーム目のボーンの位置・回転量・拡大縮小率のキーフレームを登録
28. 80フレーム目のボーンの位置・回転量・拡大縮小率のキーフレームを登録

上図のように"Insert Keyframe Menu"というタイトルのメニューが表示されますので、"LocRotScale"を実行します。

これで、80フレーム目にもボーンの位置と回転量と拡大縮小率のキーフレームが登録されました。


続いて、90フレーム目のキーフレームを登録します。 90フレーム目は、70フレーム目と同じ右手を上げた姿勢(真上)です。

80フレーム目と同じ手順で、70フレーム目の姿勢をコピーして貼り付けてください。 コピーしたら忘れずにキーフレームの登録を実施してください


最後に、100フレーム目のキーフレームを登録します。 100フレーム目は、1フレーム目と同じ直立姿勢です。

90フレーム目と同じ手順で、1フレーム目の姿勢をコピーして貼り付けてください。 コピーしたら忘れずにキーフレームの登録を実施してください

アニメーション出力

では、アニメーションを出力しましょう。 手順は、簡単なアニメーション3DCGの制作 > 変形しないアニメーションの制作 > マテリアル設定によるアニメーション - アニメーション出力 -と同様です。

制作例

以下は制作例です。 最初に紹介したものと同じ映像です。

制作例 - アーマチュアによるアニメーション -

本格的なアニメーションにするにはさらに多くの作業が必要

この記事で紹介したアーマチュアによるアニメーションの制作作業は、入門的で基礎的な内容にとどまっています。 より詳しい内容については、知っておきたい機能 > アニメーションとリギングで後ほど解説します。

  

制作した動画を編集するには

制作した動画の一部をカットしたり、テロップを入れるなどの編集をする場合はAviUtlの利用が便利です。 AviUtlは、無料ながら軽快で拡張性の高い動画編集ソフトウェアです。

AviUtlの利用方法については、以下を参照ください。

『AviUtl入門』へ
  

まとめ

アーマチュアはポーズモードでポーズをつけることができます。 ポーズモードでは、CTRL+Cで姿勢をコピーし、CTRL+Vで貼り付けることができます。

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