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2次元ペイント

  

詳細にペイントする

2次元ペイントは、Image Editor上でイメージに対して行うペイントです。 3次元ペイントがスプレーによる模型へのペイントに例えられるなら、こちらは筆やスプレーで紙に色を塗る作業に例えることができます。

2次元ペイントは、正確な模様を描くために実施します。 GIMPなどの他のソフトウェアでペイントすることで、より美しく仕上げることができます。

2次元ペイント

では、2次元ペイントを行っていきましょう。 引き続き、ワークスペースはTexture Paintです。

このImage Editor上での2次元ペイントでは、茶色と白色の境界を『ぼかす』作業のみを行います。 木目の表現については後ほどGIMPを利用してペイントしますので、Image Editorでは行いません。

まずは、左端にあるツールバーからペイント用のツールを選択します。 今回は色の境界を『ぼかし』ますので、ぼかしツールを使います。

1. ツールバーの『ぼかしツール』を選択
1. ツールバーの『ぼかしツール』を選択

上図のようにImage Editorの左端にあるツールバーから、ぼかしツールを選択します(またはキーボードのSHIFT+スペースキー -> 2を押します)。

では、『ぼかす』場所をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグします。

2. 茶色と白色の境界をドラッグ
2. 茶色と白色の境界をドラッグ

上図のように茶色と白色の境界をドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

3. 『ぼかし』の効果がわからない
3. 『ぼかし』の効果がわからない

上図のように『ぼかし』の効果はわかりません。 見比べると『ぼかし』がかかっているのはわかるのですが、比較しなければわからない程度です

ではここで、『ぼかし』の強さを調整しましょう。 キーボードのNを押してください。

4. サイドバーが開く
4. サイドバーが開く

上図のようにサイドバーが開きます。

  
Image Editorにもサイドバーがあります。

では『ぼかし』の強さを調整します。

5. Kernel Radiusを 10 に
5. Kernel Radiusを 10 に

上図のようにKernel Radiusを 10 に変更します。 変更したらキーボードのNを押してサイドバーは閉じておきましょう。

では、先ほどと同じように茶色と白色の境界をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグしてください。

6. 茶色と白色の境界に『ぼかし』がかかる
6. 茶色と白色の境界に『ぼかし』がかかる

上図のように茶色と白色の境界に『ぼかし』がかかります。

では、イメージへの修正をファイルへ保存しましょう。 忘れてはならない大切な作業です

7. Image -> Saveを実行
7. Image -> Saveを実行

上図のようにImage Editorのプルダウンメニューの"Image" -> "Save"を実行します(またはキーボードのALT+Sを押します)。

  
現状、イメージはBlenderファイルとは独立した別ファイルとして管理されています。 そのため、Blenderファイルを保存しただけではイメージは保存されません。 イメージを修正した時は、忘れずにファイルへ保存してください。

他のソフトウェア(GIMP)でペイントする

Blenderのペイント機能は、正直、高機能ではありません。 PhotoshopやGIMPなどのペイント系ソフトウェアと比べると、かなり見劣りします

そのため、GIMPなど利用してペイントしたくなることもあると思います。 ここでは、GIMPを利用したテクスチャのペイントについて解説します。

イメージは別ファイルであること

他のソフトウェアでペイントするためには、イメージが別ファイルとして管理されている必要があります。 なお、今回の犬の置物の制作では、すでに別ファイルとして管理しています。

UV展開図が必要となる

また、他のソフトウェアでペイントするにはUV展開図が必要になります。 UV展開図が参照できなくては、どこを塗っているのかがわかりません。

他のソフトウェアでもUV展開図が参照できるようにUV展開図を画像として出力することが必要です。

GIMPでのペイントの実際

では、実際にGIMPを使ってテクスチャをペイントしてみましょう。 まずは、BlenderからUV展開図を画像として出力します

UV展開図の出力は、UV Editorから実施します。 ワークスペースをUV Editingに切り替えましょう。

1. ワークスペースをUV Editingに切り替える
1. ワークスペースをUV Editingに切り替える

上図のようにトップバーにあるワークスペース切り替えタブの "UV Editing" をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

続いて、UV展開図の部位を全選択します。 3D Viewportと同じく、キーボードのAで全選択することができます

2. UV展開図の部位を全選択する
2. UV展開図の部位を全選択する

上図のようにUV展開図の部位を全選択します。

では、このUV展開図を画像としてファイルに出力しましょう。

3. UV -> Export UV Layoutを実行
3. UV -> Export UV Layoutを実行

上図のようにUV Editorのプルダウンメニューの"UV" -> "Export UV Layout"を実行します。

Blender File Viewウィンドウが開きますので、ファイル名を指定して保存します。 必ずファイル名を変更し、イメージのファイル名("Body.png")とは重複しないようにしてください

  
本ウェブサイトの記事では、"Body_Layout.png"というファイル名で保存したものとして説明を続けます。

保存先のフォルダは、Blenderファイルやイメージと同じフォルダにしておきましょう。


ここからは、GIMPでの作業に移ります。 まずは、イメージのファイル "Body.png" を開きます。

4. Body.pngを開く
4. Body.pngを開く

上図のように "Body.png" を開きます。 もちろん、レイヤは1つだけしかありません。

次に、UV展開図のファイル "Body_Layout.png" をレイヤとして開き、既存のレイヤに重ねます。 画面上部のプルダウンメニューの"ファイル(F)" -> "レイヤーとして開く(E)..."を実行するのがいいでしょう。

5. Body_Layout.pngが重なる
5. Body_Layout.pngが重なる

上図のように "Body_Layout.png" が上位レイヤとして重なります。 必ず、Body_Layout.pngのレイヤが上位になるようにしてください

次に、描画の対象とするレイヤを選択します。

6. Body.pngのレイヤを選択する
6. Body.pngのレイヤを選択する

上図のようにBody.pngのレイヤを選択します。 これで、Body.pngのレイヤに描画できるようになりました。

詳細な手順は割愛しますが、GIMPを使ってテクスチャ画像を描画してください。

7. 木目のようなテクスチャ画像を描画する
7. 木目のようなテクスチャ画像を描画する

上図のように木目のようなテクスチャ画像を描画しましょう

では次に、邪魔なUV展開図を非表示にしてテクスチャ画像がどうなっているかを確認します。

8. Body_Layout.pngのレイヤを非表示にする
8. Body_Layout.pngのレイヤを非表示にする

上図のようにBody_Layout.pngのレイヤを非表示にします。 これで邪魔なUV展開図が見えなくなりました。

では、テクスチャ画像が満足できるものになっているかを確認し、満足できるならファイルへ出力します

9. ファイル(F) -> Body.png に上書きエクスポート(W)を実行
9. ファイル(F) -> Body.png に上書きエクスポート(W)を実行

上図のように画面上部のプルダウンメニューの"ファイル(F)" -> "Body.png に上書きエクスポート(W)"を実行します。

これで、描画したテクスチャ画像が "Body.png" に出力されました。 GIMPでの作業はこれで終わりです


Blenderでの作業に戻ります。 まずは、ワークスペースをTexture Paintに切り替えます。

10. ワークスペースをTexture Paintに切り替える
10. ワークスペースをTexture Paintに切り替える

上図のようにトップバーにあるワークスペース切り替えタブの "Texture Paint" をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

続いては、GIMPで出力したイメージ "Body.png" の読み込みです。 Image Editorで読み込みます。

11. Image -> Reloadを実行
11. Image -> Reloadを実行

上図のようにImage Editorのプルダウンメニューの"Image" -> "Reload"を実行します(またはキーボードのALT+Rを押します)。

12. イメージが読み込まれる
12. イメージが読み込まれる

上図のようにGIMPで描画したテクスチャ画像が読み込まれます。 これで、テクスチャ画像は完成したものとします

ただし、まだ重要な操作が残っています。 イメージのBlenderファイル内への組み込みです

すでに説明したように、イメージはBlenderファイルに含めることも、別ファイルとして管理することもできます。 GIMPでのペイントが終了したので、もう別ファイルとして管理する必要はありません。 イメージ "Body.png" をBlenderファイル内へ組み込みましょう

13. Image -> Packを実行
13. Image -> Packを実行

上図のようにImage Editorのプルダウンメニューの"Image" -> "Pack"を実行します。 見た目には変化はありませんが、これでイメージ "Body.png" はBlenderファイルに組み込まれました。

  
Blenderファイルを保存したらBody.pngはもう不要です。

ペイント作業が終わりましたので、ワークスペースを標準の "Layout" に戻しておきましょう。

14. ワークスペースをLayoutに戻す
14. ワークスペースをLayoutに戻す

上図のようにトップバーにあるワークスペース切り替えタブの "Layout" をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

15. ワークスペースがLayotに戻る
15. ワークスペースがLayotに戻る

上図のようにワークスペースがLayoutに戻ります。

では、犬の置物がどうなているかを見てみましょう。

16. 木目が表現され茶色と白色の境界がぼやけている
16. 木目が表現され茶色と白色の境界がぼやけている

上図のように木目が表現され茶色と白色の境界がぼやけています。 目標としていた質感・模様を表現することができました。

GIMPの使い方について

GIMPは、キャンバスに筆で絵を描くような感覚で画像を作成・加工することができるソフトウェアです。 無償で使えるソフトウェアながら、有償のソフトウェアと同程度の機能を備えており、GIMPがあれば、ほとんどの画像処理を行うことができます。

GIMPの詳しい使い方については、以下を参照ください。

『GIMP入門』へ
  

現状どうなっているのか

これでテクスチャに関する作業は全て終了し、レンダリング時に模様が描画されるようになります。

  

まとめ

Image Editorでの2次元ペイントは、正確に絵を描くために実施します。 Image Editorのツールバーにはペイントに便利な様々なツールが用意されており、サイドバーでツールの設定を調整することができます。

操作/コマンド 説明
SHIFT+スペースキー
-> 2
ぼかしツールを選択する
N サイドバーを引き出す/格納する

UV展開図を画像ファイルとして出力すれば、他のソフトウェア(GIMPなど)を利用してペイントすることもできます。 UV展開図の画像ファイルへの出力はUV Editorで行います。

操作/コマンド 説明
(UV Editorのプルダウンメニュー)
"Image" -> "Export UV Layout"
UV展開図を画像ファイルとして出力する

他のソフトウェア(GIMPなど)で変更されたイメージは、Blenderで再読み込みする必要があります。 Blenderに読み込んでしまえば、もうイメージを別ファイルとして管理する必要はありません。 Blenderファイルに含めて管理しましょう。

操作/コマンド 説明
(Image Editorのプルダウンメニュー)
"Image" -> "Reload"
(または)
ALT+R
イメージを再読み込みする
(Image Editorのプルダウンメニュー)
"Image" -> "Pack"
イメージをBlenderファイルに含める
メニュー