データを共有する複製
Blenderでは、キーボードのSHIFT+Dを押すことでオブジェクトやノードなどのデータを複製することができます。 SHIFT+Dでの複製では、複製元と複製先は完全に切り離されます。 そのため片方を修正しても、もう片方は影響を受けません。
一方、この記事で紹介するリンク付き複製ではデータを共有する複製を行うことができます。 複製後に片方のメッシュの形状やマテリアル設定などを変更すると、もう一方も同じ影響を受けます。
前の記事では、別ファイルからリンクでデータを読み込む方法を解説しましたが、この記事で紹介するリンク付き複製はドキュメント内でデータを共有することができます。
リンク付き複製してみよう
新規ファイルを開いた状態から解説を始めます。 トップバーのプルダウンメニューの"File" -> "New" -> "General" を実行しましょう。

上図のようにオブジェクトモードで立方体のメッシュを選択します。
では、この立方体のメッシュをリンク付きで複製しましょう。 キーボードのALT+Dを押します。

上図のように立方体のメッシュが複製され、選択を表す枠が白色に変わります。 白色の枠は移動可能であることを表しており、キーボードのカーソルキー(↑↓←→)やマウスの移動で複製されたオブジェクトを移動することができます。
なお、移動の完了はEnterキー、またはマウスの左ボタン(
)でのクリックです。

上図のように複製されたメッシュを少し離れた位置へ移動します。
ではここで、複製されたメッシュをオブジェクトモードで縮小してみましょう。 オブジェクトモードのままでキーボードのSを押し、続けて、0.5 -> Enterキーを入力します。

上図のように複製されたメッシュは0.5倍に縮小されましたが、複製元のメッシュは変化していません。 縮小が連動しなかったのは、オブジェクトモードで縮小したためです。
では、同じくオブジェクトモードのままでZ軸方向に4倍に拡大してみます。 キーボードのSを押し、さらにZを押し、続けて、4 -> Enterキーを入力します。

上図のように複製されたメッシュがZ軸方向に4倍に拡大されます。 しかし、先ほどと同じように、複製元のメッシュは変化していません。
さらに、オブジェクトモードで回転させてみましょう。 キーボードのRを押し、さらにXを押し、続けて、45 -> Enterキーを入力します。

上図のようにX軸を中心軸に45度回転します。 そして同じく、複製元のメッシュは変化していません。
このように、オブジェクトモードで変形させた場合は変形は連動しません。 オブジェクトモードでの変形は、あくまでもオブジェクトとしての変形です。 メッシュとしては変形していません。 よって、複製元のメッシュには連動しません。
ここからはエディットモードに切り替えて加工してみましょう。 キーボードのTabキーを押してください。

上図のように両方のメッシュの全部位が選択されます。 オブジェクトとして選択していたのは複製されたメッシュのみですが、複製元のメッシュの部位も選択状態になっています。 このように、リンク付き複製では選択も連動します。
では次に、上部の面だけを縮小してみましょう。 まずは面選択モードに切り替えます。

上図のように面選択モードに切り替えます。
では上部の面を選択します。 なお、複製元のメッシュで選択操作することはできません。 複製されたメッシュの上部の面を選択操作してください。

上図のように上部の面を選択します。
では、この面を 0.5 倍に縮小しましょう。 キーボードのSを押し、続けて、0.5 -> Enterキーを入力します。

上図のように選択中の面が 0.5 倍に縮小されます。 また、複製元のメッシュも連動して変形しているのがわかります。
このように、リンク付き複製の機能を使うことでオブジェクトを共有することができます。 街灯や木など、同じメッシュを大量に配置する場合などにリンク付き複製の機能が役立ちます。





